お知らせ
2012/09/23(日)
お知らせ
小さな喜び
高3生には連日、厳しい授業を展開してい
る。1,2年生ならいざ知らず、この時期
の受験生に「いっしょにがんばろうよ!」
などと笑顔できれいごとを言ってもはじ
まらない。
大げさではなく単語ひとつ、塾語ひとつ、
発音1つが生死を分ける。練習で「あっ、
ど忘れしてた」などという言い訳を許せ
ば、本番でも同じことをする。
だから、私が尋ねた時にこれまで習得
したはずの知識が正確に再現されなけれ
ば、容赦しない。
時には、涙を流す塾生も出てくる。
本音を言えば、私もそんな大した人間で
はない。それどころか、他人より遠回り
した「落伍者」に近い。だから、深夜車
のハンドルを握りながら、今日の授業を
思い出すたびに「おまえは何様のつもり
だ?」と自問自答してしまう。そして、
自己嫌悪に陥る。
それでも、みんな歯を食いしばって授業
に出てくる。だから、それに便乗する形
で、今日もギリギリまで塾生を追い込む。
それが彼らのためだと信じて。
中でも、東高3年標準クラスには連日厳
しい授業を展開している。今冬、偏差値
3~40台で国公立大、MARCHに行きた
いと言って入塾してきた連中だ。
やむを得ないといえばやむをえないのだが。
だが、今日の授業は何かが違った。
いつあてても英単語の意味を即答できな
いA。だが、今日は5つのうち4つを即
答した。
いつあてても「わかりません」と言っては
「思考」しようとしないB。だが、今日は
難文の意味を文のテーマから丁寧に推測し
て見せた。
人の話を聞こうとせず、独りよがりな態度
が成績向上の妨げになっているC。だが、
今日は現代文の記述答案の添削を自ら求め
てきた。その解答はバランスのとれた、
優秀な回答だった。
みんな、指摘された弱点を改善しようと
必死の努力をしている。
深夜メールでアドバイスを求めてくるのも
決まって東高クラスの塾生だ。
そういえば、彼らの8月全統マークの偏差
値は、軒並み10~20程度upしていた。
このクラスの塾生たちは、学校でも噂にな
るような花のある子たちではない。
だが、みんな与えられた条件の中で文句
一つ言わず、ギリギリの勝負をしている。
今日はそんな彼らの努力の成果、成長の証
を少しだけ垣間見ることができた。
素直に喜びたい。