お知らせ
2013/12/15(日)
お知らせ
冬の墓
私の実家の墓は、三原市内の小山の中
腹にある。ここには、婆さんと爺さん
が眠っている。私と実家が10年前そろ
って「火だるま」になったとき、最後
の最後で助けてくれたのが、この墓だ
った。それ以来、必ず毎月1回は手を
合わせに行くことにしている。
そして、必ず手を合わせに行く日が、
もう1日ある。それは、センター試験初
日の日だ。塾生の顔と志望校を思い浮か
べながら、ただひたすら爺婆にすがる。
自分にはもう何もしてやれないもどかし
さを、ひたすら冬の墓に訴える。
この墓から直線距離で3キロほどのとこ
ろに「県立広島大学」がある。同じく
小山の中腹に広がるセンター試験会場を
延長線上に眺めながら、今度はそちらに
手を合わせる。その中で現在進行形で格
闘している塾生を思うと「やることはや
ったじゃないか」という思いと、どうし
ようもない無力感がごちゃまぜになり、
胸が張り裂けそうになる。
今年も「その日」が近づいてきた。塾生
にとっても私にとっても「リセットボタ
ン」のきかない、人生の勝負。彼らが試
験会場で、そして私自身が墓の前で後悔
しないためにも、ここから死力を尽くし
たい。