お知らせ

先日の午後、ひょっこり今年の卒塾生Y
が現れた。現役時代は国公立大を狙うも
惨敗。現在はある予備校の寮に入って、
捲土重来を期している。
不退転の決意から携帯も解約しているの
で、こちらからは連絡が取れない。5か
月ぶりの再会だったが、かなりやせてい
た。相当、厳しい毎日をおくっているこ
とは、言葉の節々からも感じ取ることが
できた。
「苦手な数学は、マンツーマンで教えて
もらえるよう、講師に直談判しました。
今年1年は、自分が勝ち残るためになん
でもやると誓いました。相手や周りの顔
など、気にしていられません」
「朝は4時30分に起きて、寮の仲間と英
単語のあてっこをしてます。睡眠時間は
4時間くらいです」
まるで、自分自身をいじめ抜く「ボクサ
ー」のようだ。敗戦から、勝負の厳しさ
をいやというほど味わったのだろう。成
績は伸びてはいるようだが「上には上が
たくさんいる。ついていくのに精いっぱ
いです」と全く満足していないようだっ
た。
今回は寮が1週間休みになるため、やむ
なく帰省したらしい。本当は「勝つ」ま
で実家に戻りたくはなかったそうだ。で
も、いい休養になったみたいで、私もほ
っとした。私が心配するくらい、Yはぎ
りぎりまで自分を追い込んでいた。
「この予備校でも、先生以上の英語の講
師はいません。今度は合格通知を持って
塾に来ます。楽しみにしていてください」
そう力強く言い残して塾を後にしようと
した時、彼はこう付け加えた。
「現役生には絶対に負けませんよ！」