お知らせ

国公立大の2次出願校も決まり、3年生の個別指導に取り組んでいる。連日徹夜で、受験生たちの答案と格闘している。
毎年、答案を添削していて思うのは「一人一人、色んな個性があるなあ」という点。文全体の趣旨はとらえられるが細部が雑な答案、逆に細部は忠実なのだが文全体の趣旨がとらえられていない答案。意訳をしようとして脱線してしまっている答案、逆に単語の意味を文章全体から考えていない答案…
記述答案は、受験者の人格がそのまま現れる。採点官は将来のあなたの担当教授になる人物。だから、彼らが答案を読んだ時に「こいつ、欲しい！」と思わせなければならない。逆に「こいつは人の話をきかない人間だな」とか「独りよがりだな」と評価されたら、信じられないくらい低い得点になる。
「欲しい！」と思わせる答案を書く、というのは、一人一人の個性を押し殺すのとはまた別だ。言ってみれば「相手のニーズを推し量り、自分を売り込む」作業だ。これは社会人として生きていく上で必須の能力。大学入試はこの能力の基礎があるかを試す点で、単に学力を測る高校入試と一線を画する。
受験生の個性は尊重しつつ、採点官ひいては社会のニーズとどう折り合っていくか。あと２週間、難題と真正面から向き合う日々が続く。