お知らせ
2021/06/29(火)
高校部
模試の利用法
最近、模試の結果について相談を受けることがある。内容のほとんどは「成績があがらないので、志望校のレベルを下げようと思う、または下げろと言われた」というものだ。
これは、全くの間違いだ。模試の目的は、今の自分と志望校とのレベル差を確認して、それを埋めるための方策を考えることにある。つまり、自分の偏差値を向上させる手がかりを得るために模試を解いているのであって、志望校変更のために模試をうけているのではない。
従って、偏差値に一喜一憂するのはナンセンス。そんなことよりも、模試が終わったらすぐに「反省ノート」を書く癖をつけよう。ここには、時間内に全問に目を通せたか、時間をかけすぎてしまった箇所がなかったか、捨て問題の見極めはできたか、マークミスはなかったか、問題を解く順番はこれでよかったか、気が散るような出来事はなかったか、といった「ゲーム」の進め方についてメモしておこう。そして、次回の模試の前日にこのノートに目を通し、明日の課題を明確にしてから模試に臨むのだ。
毎年、センター試験(共通テスト)直後の面談で受験生が嘆くのが「時間配分の失敗」だ。だが、本番で時間が足りなくなる者は実は、普段問題を解いている時から、もっというと日常生活でも時間切れになっている。それでも志望校に受かりたいのなら、日常から意識して効率的な時間の使い方を研究する必要がある。
一方で、学力面で模試が役にたつことはあまりない。もちろん、基本知識の漏れなどは「反省ノート」にメモして速攻で覚え直そう。だが、それ以上に突っ込んで復習する価値はない。模試の問題の質は玉石混交。特に論理問題は本番とは似て非なるレベルのものが多い。さらに記述問題の採点も信頼性に欠けるものが散見されるからだ。
模試に振り回されるのではなく、自分の改善のためのデータ収集と割り切って、模試に臨みたい。